クソデッキ

 以前、こんな記事を見つけた。
だらだらクソデッキだ。伊藤 敦という名の有名なマジックプレイヤーであるらしい。その辺は詳しくはないのでわからないが。

 で、この人の書く記事がおもしろくて今日の通学時間を使ってさまざまな記事を読んでいたのだが、1つ気になったものがあった。
あの日見たクソデッキの名前を僕達はまだ知らない。 vol.3 PTサンファン10 -青赤コントロール-である。
 簡単に説明すると、八十岡 翔太という日本人のマジックプレイヤーならほとんどの人が聞いたことのあるほどの有名プレイヤーの過去に使ったクソデッキについて書かれている内容になっている。
 それだけならおもしろかったという小学生並の感想を残して終わりなのだが、八十岡選手の「そもそもデッキを選択する基準からしてみんなと違うからね。トーナメント用のデッキを作るときは、『環境に存在する全部のデッキに5割5分以上のデッキを作ること』、をいつも心がけてるから。『〜は勝てないから切る』とか、デッキビルダー失格だよ。全部に勝たないと」って言葉がすごく自分に突き刺さった。

 で、自分が今使っているデッキを振り返ってみる。
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 一言。汚い。
 デッキコンセプトはこうだ。「青指図とクルフィックスの預言者置いたらこっちのほうがマナ多いし勝てるよね!!!」
 たしかにこのデッキは強い。相手とハンドが同じならばマナが多いほうが勝つ。それは当たり前である。
 しかしこのデッキには大きな欠陥がある。「黒色には勝てない」という欠点が。

 なぜ勝てないか。黒のデッキの強さを自分なりに噛み砕いてみようと思う。


 まず《冒涜の悪魔/Desecration Demon》だ。4マナ6/6という時点で緑の4マナエースクリーチャーであるポルクラノスの5/5を超えている。その超性能に加え、飛行も持っており緑ではチャンプブロック等で止める事ができない。クリーチャーを生贄にささげればそのターンは凌げるが、6/6で4回殴られるのも7/7で3回殴られるのも結局の死期は同じであり、除去耐性はないものの放置されればそのままゲームエンドのカードである。

 次に《地下世界の人脈/Underworld Connections》《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》だ。同じ3マナダブルシンボルのカードであり、3マナ帯はこの2択になる。両者とも言うまでもなくハンドアドバンテージを得にくい緑にとっては序盤に出されるだけでゲームが終わると言っても過言ではないほどのパワーカードである。また、《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》はその性能に加え3/1威嚇のステータスを持っており、黒以外ではブロックすることができない。前述の《冒涜の悪魔/Desecration Demon》《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》の合計9点クロックにより死ぬか、《地下世界の人脈/Underworld Connections》によって除去を引かれて息切れさせられるかのどちらかである。

 最後の1枚。有名な神話コモンコモンカードである《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》だ。説明不要のパワーカードであり、3ターン目に《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》を出され、4ターン目に《冒涜の悪魔/Desecration Demon》を出され、5ターン目に《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》を出され、4ターン目3点、5ターン目9点+(灰色商人の)6点ドレイン、6ターン目9点(+2点)である。《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》はブロックすればいいだけなのだが、問題は2ターン目に《変わり谷/Mutavault》で殴られている可能性があることだ。私は7月4日のFNMの1回戦、これをされて負けた。
 
 要するに、だ。①《地下世界の人脈/Underworld Connections》で恒久的なアドバンテージを得つつ②《思考囲い/Thoughtseize》《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》でテンポアドバンテージを取り③《冒涜の悪魔/Desecration Demon》等でクロックをしつつ④黒の豊富な除去でボードをコントロールしつつ⑤《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》でトドメを刺す。
 それが大まかな黒単信心ではないか。もちろん、黒になにか1色足した、黒t緑信心・黒t白信心なども存在し、それぞれ違いもあるが。

 そして私は考えた。今の黒単信心系のデッキに勝てるデッキカラーはあるか、と。
 青白コントロール・青単信心・エスパーミッドレンジ・赤緑・青指図コントロール・赤単バーン・赤白バーン……どれもいまいちピンと来ない。特に黒t白信心にはとてもじゃないが勝てそうにない。《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》がほぼどのデッキにも効果的に働くからだ。
 除去耐性によってコントロール相手には通ればほぼ勝ち、アグロデッキは絆魂の能力によって逃げ切られてしまう。《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》もそうだ。色拘束の問題で採用は難しいだろうが、メインボードで《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》を止めることは難しく、また、墓地へ送ったとしても《エレボスの鞭/Whip of Erebos》で戦場へ帰ってくることがある。コントロール殺しの要素もアグロ殺しの要素も持っており、黒信心というデッキの完成度の高さが伺える。

 では黒信心に勝てるデッキはないのか。いや、1つだけあった。灯台下暗しというべきか。
 それは同じ黒のデッキだ。

 確かにそうだ。《冒涜の悪魔/Desecration Demon》のクソクロックをメインボードに採用できるカードで対処できるのは黒だ。《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》もそうだ。色拘束の問題で採用は難しいだろうが、《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》をメインボードで対処できるのも黒だ。
 つまりだ。このデッキも黒を濃くして除去を増やし、《クルフィックスの指図/Dictate of Kruphix》《概念泥棒/Notion Thief》によって莫大なハンドアドバンテージを取り、そのハンドアドバンテージと《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》によってマナを伸ばし、ボードアドバンテージも取る。
 これだ!これがこのデッキ、そして現在の環境へのソリューションだ!!さっそく組んでみよう!!!


 な ん だ こ の ク ソ デ ッ キ は 
 はっきり言おう。黒t白ところではない。これは黒単信心の下位互換だ。
 
 まずいろいろ突っ込みどころが多い。

 ・霧裂きのハイドラ
  自分で緑のカードはゾンビに抜かれるからダメって言わなかったかなぁ?

 ・概念泥棒と青指図
  揃う前に死ぬ。

 ・クルフィックスの預言者、狩猟者、クルフィックス本人
  同じ5マナ帯であるオブゼダート・血男爵と違い、出たときの絶望感がまるでない。

 ・死儀礼のシャーマン
  なんで入れたのこのカード。
 
 ・システムクリーチャー
  多すぎて殴り殺される。簡単に焼かれる。


 ってかさぁ。このデッキ預言者いらなくね?
 いやだってさ。黒単信心が強いんだぞ?それにいらないもの引っ付けて弱くなるぐらいならいらないじゃん。さっきも自分で言ってたけどもう既に完成されてしまったデッキに無駄な足生やしてもそれこそ蛇足である。


 




 もうちょっと、いや、かなりこのデッキは改善しないといけないようだ。まだまだ改善の余地はある。幸い時間はある。試験近いけど
 かならず自分のデッキを作ってやる。もう大きな大会はないが、FNMでも勝てないでどうするんだ。

 というわけで今回はこの辺で。