スタンダード禁止改定について

またスタンダードをdisる記事です

今回の禁止改定について、前回のスタンおもしろくない理由も踏まえて個人的な意見を。


んで。
今回は全フォーマット変化なしでしたね。
モダンやレガシーも特に動いてませんしそれは妥当、スタンは…今禁止にすると今後トップメタをすべて禁止するぐらいの勢いになるので妥当と言えば妥当でしょう。

というのが最も単純で一般的な見解じゃないかなと思います。

そういうことを言いたい訳じゃなく、もうちょっと、プロや競技プレイヤーほどじゃないけど素人目でもうちょっと深く掘り下げたことを言いたい訳です。

スタンダードのメタゲームはマルドゥ機体、4cサヒーリ、緑黒系の3つがトップメタでした。最近は緑黒が退いてティムールダイナボルトなんかもメキメキと頭角を現しているようですか。

そのなかで禁止カードを出すとなるなら、マルドゥから1・2枚(出るなら真意号かたかり屋かギデオン)、サヒーリはコンボどちらかをつぶせばおしまいですから、サヒーリかフェリダー(レアリティ的にフェリダーか)ではないか。
そうなると緑黒が強くなりすぎてしまう。緑黒アグロは真っ当なサイズデッキを完全否定していますし、間違って蛇を生きて返すとゲームエンド。
そんなゲームが許される訳がないので緑黒からも蛇を禁止するだろうという予想でした。

しかしながらいきなり新セットから3枚も禁止を出すわけにはいかない。そしてなにより、そのカードを禁止したとしてスタンダードがおもしろくなるかと言われると絶対そうはならない。断言してもいい。今スタンダードをやっていない・やめた層はそのレベルの話をしているのではない。

そもそも今のスタンダードのなにがおもしろくないのか。
前回は漠然とした答えしか思いつかなかったが、今回自称スタン大好きおじさんとすこし話をしてみた。
なんと自称大好きおじさんも今のスタンはおもしろくないという。どれだけ大好きかというと俺が大嫌いなバントカンパニー時代を喜々として緑白トークンをプレイしていたぐらいだ。

まず彼はこう言った。
「メタが動いてない・プレイしてておもしろくないデッキが多い・自由度がない。この3つが問題」
言われてみればそうである。
まずメタについて。
スタンダードはメタゲームを追うものだと私は思っている。
タルキール龍紀伝の時代はメタゲームが目まぐるしく動いていた。
エスパードラゴンに始まり、アブザン大変異、緑t赤信心、アタルカレッド、アブザンコントロールと見ているだけでワクワクした。
それぞれがそれぞれに裏目があり、すこしずつメタに合わせて変化していき、そのためのカード選択も様々だった。

でも今は機体と4cのみ。リストももう既に固まっており、大会結果を見ていても面白味がない。
どうしてこのようなブンブンデッキのみが隆盛してしまうのかというと単純に妨害カードの薄さ故に違いない。

なぜモダンにおいて親和が許されているのか、なぜブリーチタイタンやエムラシュートやアドグレイスなどの瞬殺コンボが許されているのか。
それは強力な妨害スペルがあるからである。

親和は石のような静寂を置かれると機能を停止します。なにもできません。
その他コンボデッキもハンデスやカウンターであっさり処理されます。もちろんそれだけでは止めきれませんが、そういった面もあるから許されるのです。
そこで今のスタンダード。マルドゥを止めるカードはプッシュだけです。サヒーリを止めるカードはないです。強いて言えばコンボされる前に殴りきるぐらいです。
強力な汎用性のあるカウンター・除去・置物も存在しません。デッキ構築でメタろうにもそれ以外のデッキにまったく勝てないのでは意味がありません。
だからメタが動かない。メタを動かすのは強力なカードだけではなく、良くも悪くも妨害カードもそうなのでしょう。


次にプレイしてておもしろくないデッキが多いことについて。
マルドゥ機体や4cサヒーリを使っていておもしろくない、とは言わない。
コンボを決めた瞬間、圧倒的なクロックで相手になにもさぜず殺した瞬間、それが好きだというプレイヤーも多いでしょう。
ですが言いたいのはそうではなく、相手のデッキに対処する際の話だそうです。

たとえばキランの真意号。今環境にあのカードを破壊できるカードは何枚ありますか?そのうち構築にプレイアブルだと思えるカードは?
おそらく畜霊稲妻かプッシュぐらいでしょう。あと緑のファクトをデッキボトムに送るやつ。
で、それらを問題なく採用でき、実際にプレイできるデッキはなにがあるでしょう。ないですね。
ギデオンもそうですね。今あのカードに最も簡単に対処できるカードは破滅への道です。
ですが破滅への道はソーサリー。キランの真意号には対処できませんし、ギデオンにうまく打ち込めても後続が出てきて後手後手になるだけです。同じくサヒーリにも対処できませんね。

こういった、対処カードが弱すぎて対処できない事象が多すぎておもしろくない、のだそうな。
確かに使っていてストレスの溜まるカードが多く、そういったカードをすべて削いでオールインしたタイプのデッキの方が強いというのも問題。
ラヴニカテーロスの頃は拘留の宝球や英雄の破滅、突然の衰微などの強力な除去、解消や中略のカウンターがあり(クソデッキで)負けて悔しかったけどストレスはなかった。


最後に自由度がないこと。
対処カードが弱すぎるという話もあるのだが、単純にマナ基盤が弱すぎるとのこと。
今対抗3色(2色)が組みやすく、有効2色がとても組みにくい。
バトルランドとちらちランドを、ファストランドとミシュラランドがある環境でだれが使うねんという話。
前者二つはほぼ確定タップインで、後者は確定タップインながらも別の効果がある土地と3t目までは確定アンタップインである。
そりゃ後者使うよね。だれだよちらちランドのデザインしたやつ。

ラヴニカテーロス期は(何度もこの時期のことを話すのは完全に老害ではあるが)すべての2色ショックランド、2色占術ランドとマナ基盤が充実しており、前者はタップインアンタップイン選択可能・後者は確定タップインながらも占術1のおかげでデッキそのものがぐっと安定する。タップイン分の仕事は十分にしている。


以上が今のスタンダードがつまらない理由だ。

それを踏まえて考えると、たかがカード数枚禁止してトップメタ全部潰したとしてもスタンダードがおもしろくなるとは到底思えない。
禁止カードを出すぐらいなら真髄の針・稲妻の一撃・化膿・英雄の破滅などの優秀な除去や妨害カード、それに加えて解消や中略などのあくまでスタンダードレベルのカウンターを特別に使用可能としてくれた方がはるかに楽しくなる。
だから私は今回の禁止改定には賛成である。
フィードバックのタイミング的に、次のエキスパンションまではほぼ確実に現状のスタンダードが続くと思うととてつもなく憂鬱ではあるが、次のパックには期待したいと思う。